2014 年 70 巻 4 号 p. I_1089-I_1095
著者らはこれまで,海溝型巨大地震による強震動の波形,スペクトルなどを高精度で再現できる震源モデルとしてSPGAモデルの開発を行ってきている.このモデルを,歴史地震の再来を想定した被害予測などに適用する場合には,歴史地震の震度データを満足するように震源モデルの作成を行うことも求められる.そこで本研究では,そのような事例として,1703年元禄地震の震度分布を満足するようなSPGAモデルを作成することを試みた.個々のSPGAのパラメタは経験式から初期値を設定し,震度データの再現状況を見ながら調整した.その結果,3つのSPGAを含む震源モデルにより概ね震度データを説明することができた.