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土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Vol. 70 (2014) No. 4 p. I_175-I_186

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http://doi.org/10.2208/jscejseee.70.I_175

地震工学論文集第33巻(論文)

 本論文では,長大斜張橋を対象に,同一震源断層による地震と津波といった一連の複合現象を,数値解析を組み合わせてシミュレートした結果を例示し,橋梁全体系における複合被害を定量的に評価するための解析手法を提案している.まず,想定した震源断層を波源とする広域の2次元津波伝播解析を実施して,対象橋梁付近の津波高,流速および流向を算定した.それらは対象橋梁へ作用する津波波力を算定するための詳細な3次元津波解析の造波条件として適用した.次に,地震応答解析によって得られた地震後の応力状態を初期状態とした橋梁全体系のモデルに,3次元津波解析で求めた時刻歴の津波波力を入力する複合非線形解析を実施した.その結果,ケーソン基礎に僅かな浮き上がりが生じたが,基礎の滑動は見られず,地震によって損傷した部位が津波波力によって拡大することもなかった.このことから,本シミュレーションでは,対象橋梁に対して津波波力の影響は小さいことが結論付けられた.本手法を用いることで,他の地域における構造物の複合被害評価に対しても定量的な分析が可能となっている.

Copyright © 2014 公益社団法人 土木学会

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