2014 年 70 巻 4 号 p. I_644-I_653
大規模地震発生後には比較的規模の大きな余震が発生するが,これを直接設計で考慮するという取り組みはこれまでほとんど実施されていない.本検討では過去に発生した大規模地震とそれに伴う余震のデータを整理し,統計処理することにより,構造物の性能照査時に考慮すべき余震の発生パターンを提案した.これにより本震発生後,ある日数以内に想定される平均的な余震の規模と回数などを予測することが可能となる.提案した余震の発生パターンに基づき本震・余震の地震動群のシミュレーション,構造物への影響評価の試算を実施した.その結果,余震の発生位置や構造物の振動特性によって構造物の損傷が進行する場合があるものの,その影響は限定的であることを確認した.