2015 年 71 巻 4 号 p. I_689-I_696
本研究は,津波による橋梁の上部構造に生じる力の発生メカニズムを解明することを目的として,差分格子ボルツマン法を用いた数値解析を行った.その結果,水と空気の二相流で解析を行うことで,実験で観測された圧力分布の傾向と,流れの様子を再現できた.さらに,みぞ形断面をモデル化した解析を行い,水理実験で鉛直方向の津波作用力が発生しなかった原因を検討した.その結果,模型内に空気があるために,津波が模型に作用した直後の負圧が生じなかったため,下向きの力が作用しなかったことがわかった.