2016 年 72 巻 4 号 p. I_129-I_139
津波の影響を受ける橋梁の挙動を明らかにするために,現地にて偶然撮影された津波の映像や数値解析を基に津波の特性および上部構造への作用力を評価する研究が多い.しかし,映像では津波の特性は推定できても,上部構造がどのような挙動となって流出したのかを推定することは困難である.本研究では,津波により上部構造が流出した気仙大橋を対象として,残存した支承部や耐震補強の目的で装着されていたダンパー等に残された損傷跡に基づき,気仙大橋の上部構造の挙動メカニズムを推定した.