2016 年 72 巻 4 号 p. I_90-I_97
地表面地震動の評価という観点から,動的変形特性試験を実施する土層を定量的に評価することを目的として,規準変位指数L(i)の提案を行った.これは,一般的な地盤の非線形構成則と標準パラメータを組み合わせた静的非線形解析を実施することで,地盤全体系の荷重-変位関係に影響の大きな層を特定するものである.
提案手法の妥当性を確認するため,多様な地盤に対して規準変位指数L(i)の評価を行った.その結果,L(i)の大きな土層の非線形特性が変化した場合,地盤応答解析によって得られる地表面地震動が大きく変化することを確認した.本手法は入力に依存せず安定した解を求められるとともに,N値,土質区分といった簡易な情報のみから評価可能であり,現場における繰り返し三軸試験の要否を定量的に評価する指標として有効である.