2017 年 73 巻 5 号 p. II_42-II_51
近年,照明・標識柱などの柱状鋼構造物の路面境界部付近において腐食による板厚減少が確認され,強度の不足や耐疲労性の低下などによる倒壊リスクも高まっている.このような柱状鋼構造物のストック数は膨大であることから,現場において短時間での施工と補強効果の発現が期待できる補強工法の開発が有用といえる.そこで,著者らは,短時間で施工可能な熱硬化型炭素繊維プリプレグシートを用いる補強工法の開発に向けて検討を進めている.本報告では,熱硬化型炭素繊維プリプレグシート用いる補強法の概要を述べ,静的載荷実験による最大強度の回復性および実照明柱を対象とした施工試験の結果について報告する.