土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Online ISSN : 2185-4653
ISSN-L : 2185-4653
地震工学論文集第37巻(論文)
住民意識を考慮したソフト・ハード両面からの上下水道減災対策の最適化手法の提案
池本 良子山中 明彦宮島 昌克安田 誠宏森﨑 啓高野 典礼
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2018 年 74 巻 4 号 p. I_578-I_585

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抄録

 過疎化高齢化が進む中小都市である石川県輪島市輪島地区を対象に,住民アンケートを実施し,住民意識を取り入れた上下水道の災害に対するハード対策とソフト対策の最適化手法について検討を行った.その結果,水道の耐震化率に対する認知度は極めて低く,水の備蓄量が少ないこと,水道耐震化に対する支払意思額が低いにもかかわらず,断水を許容できる期間は3日であり,最低限の飲料水の備蓄の必要性を指摘した.下水道被災時の水道使用制限に対する理解度は高く,簡易トイレを許容できる期間は5.6日と比較的長かったこと,下水道のハード対策に対する支払意思額が水道と同程度であったことから,下水道対策の費用の一部を簡易トイレの備蓄にあて,当該地域に配布することにより,水道使用制限が可能であると考えられた.

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© 2018 公益社団法人 土木学会
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