2020 年 76 巻 4 号 p. I_377-I_392
我が国では大地震被害の度に耐震基準が改訂されてきた.その耐震基準は将来また改訂されるかもしれないことを鑑みると,現在の耐震基準を満たすだけでなく将来の耐震基準の変化にも対応できるような構造の開発が求められる.そこで本研究では,耐震性能を新陳代謝できる構造,すなわちメタボリズム耐震橋脚構造の開発を目指す.橋脚基部を軸力・せん断力を支持するコア部とその周りを囲う外殻部の二重構造で考えると,地震時には基部に形成された塑性ヒンジがエネルギーを吸収する.塑性ヒンジ部(外殻部)の取替により耐震性能を新陳代謝できると考え,本研究では軸力支持下での取替実験から取替可能性を検証し,正負交番載荷実験により耐震性能の新陳代謝を確認する.最後には本研究から得られるメタボリズム耐震橋脚構造の要求性能を整理した.