土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Online ISSN : 2185-4653
ISSN-L : 2185-4653
地震工学論文集第39巻(論文)
複数の地震災害記録の統計分析による道路盛土復旧予測モデルの構築
野本 篤史酒井 久和梶谷 義雄
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2020 年 76 巻 4 号 p. I_409-I_419

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抄録

 道路盛土は長距離にわたる線状構造物であるため,ある区間内における一部の被害の復旧に時間を要し,交通機能が損なわれる事例が多数報告されている.被害の軽重に応じて,被災した盛土部の規制期間を予測することができれば,代替道路の選定スケジュール,旅行時間の予測,孤立地域への支援などの様々な事後対策に活用することができる.

 本研究では,道路盛土に甚大な被害を受けた7地震の被害状況と規制期間を調査し,規制期間に影響を及ぼす要因である,盛土高さ,被害範囲,地形,被害形態,交通量の計5項目を考慮した複数の統計手法で分析し,復旧予測モデル式の構築とそのモデル式の精度の比較を行った.その結果,被災した道路盛土の復旧期間の予測は,べき正規変換を用いた拡張型数量化理論第1類が最適であることを示した.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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