2021 年 77 巻 4 号 p. I_139-I_153
従来,液状化判定の対象とする土層は「沖積層である土層」や「地表面から20m以内の深さに存在する飽和土層」としている.近年,設計地震動の最大加速度の増大に伴い,一般的には液状化判定の対象にならない洪積砂層に関しても構造物の耐震性評価が求められることがある.しかし,洪積砂層のうち硬質なものを対象とした凍結サンプリング試料による液状化試験では,典型的な液状化(過剰間隙水圧の上昇に伴う,ひずみの進展・増大)とは異なる挙動を示している.そこで,硬質な洪積砂層の液状化強度特性を把握するために,セメント添加の模擬試料を作成し非排水繰返し中空ねじりせん断試験を実施した.そして,その試験結果に対して,個別要素法による再現解析を行った.その結果,切断された固結点が局所化するとせん断ひずみが増加することがわかった.