2021 年 77 巻 4 号 p. I_154-I_163
本検討では,表層地盤の固有周期と入力地震動の卓越周期の比,地震動の最大値と表層地盤の強度(地盤強度比Kf)の比をパラメータとした地震増幅率の簡易評価法を提案した.この時に対象とする地震動指標としては,地震被害に関連があると考えられる3つの指標(警報用最大加速度,計測震度,SI値)とした.提案法では,周期比を考慮することで地震動と地盤の共振,非共振を考慮しているとともに,強度の比を考慮することで地盤の非線形程度の大小も直接考慮している.そのため,これらの情報を無視した場合と比較して評価結果のばらつきの低減を実現しており,精度の高い地震増幅率の評価が可能である.