土木学会論文集F6(安全問題)
Online ISSN : 2185-6621
ISSN-L : 2185-6621
和文論文
SCE-UA法を用いたタンクモデルの構築とそれを用いた土砂災害発生危険基準線の設定
杉原 成満福田 慎哉倉本 和正荒木 義則朝位 孝二古川 浩平
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2011 年 67 巻 1 号 p. 1-13

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抄録

 本研究では,2009年7月に甚大な土砂災害が発生した山口県佐波川流域を対象として,土砂災害発生危険基準線(CL)の高精度化を目的に,実測データを用いてタンクモデルのパラメーター同定を試みた.同定手法として大域的探索手法として提案されているSCE-UA法を用いることで精度の良いパラメーター同定が行うことができた.また,気象庁が土壌雨量指数の算出に用いているタンクモデルよりも流出量の再現性が高いモデルであった.構築したタンクモデルを用いてCLの設定を行った結果,現在,気象庁が使用しているタンクモデルを用いた場合よりもCLの精度は高くなることが確認された.実測データに基づいて適切なタンクモデルを構築することは,土砂災害の予測の精度向上において,非常に有効であると考えられる.

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© 2011 公益社団法人 土木学会
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