2011 年 67 巻 1 号 p. 41-51
土砂災害警戒情報の運用において解除を行うタイミングが困難である理由としては,降雨ピーク後における土砂災害の危険性を定量的に評価することが困難であることが挙げられる.これに対し,降雨状況に応じた土砂災害の危険性を定量的に評価することが可能となれば,上記課題を解消でき,解除を行う際の判断に用いることが可能となる.本研究ではロジスティック回帰分析を用いて,降雨状況の変化に応じた土砂災害の危険性を災害発生確率として定量的に評価することを試みた上で,土砂災害警戒情報の解除基準の検討を行った.本研究での取り組みにより,元々切迫性を分かり易く伝える方法として有用であったロジスティック回帰分析を用いた災害発生危険度の確率評価手法の利便性を更に向上させることができた.