2016 年 72 巻 2 号 p. I_53-I_58
災害時において,地域の建設会社は緊急輸送道路の早期確保や被災地域の応急復旧活動など,発災当初から最前線で活動することが期待されている.平成21年度からは関東地方整備局で建設会社が備える基礎的な事業継続力を評価するため,「建設会社における事業継続力認定制度」が開始され,この取り組み(建設業BCP認定制度)は地方整備局及び自治体で広がりをみせており,今後発生が予想される南海トラフ巨大地震等の大規模災害に備えた建設会社における対応体制の構築や対応力の強化が社会的にも求められている.
しかし,地域の建設会社が多様化する自然災害リスクに対応するためには,この建設業BCPの取り組みに加えて,地域特有のリスクへの対応をする必要がある.
本研究では,台風被害が多く発生している徳島県那賀郡那賀町の建設会社を対象に,建設業BCPをベースにして,タイムラインの考え方を活用する災害対応体制構築の実践を行い,検証を行ったものである.