2012 年 68 巻 3 号 p. I_133-I_142
本研究では,シールド工法における発進立坑の仮壁として,繊維補強発泡ウレタン材(Fiber reinforced Foamed Urethane:FFU)格子補強したコンクリート壁を提案し,その耐荷性状を実験的に明らかにした.まず,FFU補強した単純梁の曲げ耐荷性状について検討した結果,FFUとコンクリートとの付着が確保できた場合,断面計算した計算値と実験値がほぼ同等であることが示された.次に,FFU格子補強したコンクリート平板に対し,分布荷重を作用させた結果,耐荷力はコンクリートのひび割れに伴う運動機構に依存すること,および格子補強による拘束効果により耐力上昇があることを確認した.以上より,RC壁中に埋設されたFFU格子補強コンクリート平板構造は,平板理論および降伏線理論を超える耐荷力を有することが明らかとなった.