2016 年 72 巻 3 号 p. I_179-I_190
線路下横断構造物を小土被りの地山に非開削で施工する場合,推進・けん引した角形鋼管を本設利用する方法や,角形鋼管とコンクリート函体を置換する方法がとられている.後者を用いる場合,ボックスカルバートをジャッキで背後から押しつけ地山内の鋼管を到達立坑に押し出すが,このような鋼管と地山の相互作用を検討した既往事例はほとんど見当たらない.そこで本研究では,線路下横断構造物の効果的な施工のため,鋼管の地山内の初期配置に着目した地表面変位予測法および施工ステップに合わせて地表面隆起を抑制できる逐次対策法を開発した.予測法による複数のシミュレーションと施工を模した模型実験の比較から提案する対策法の地表面変位の抑制効果を確認した上で,実施工現場への適用例を示す.