2017 年 73 巻 1 号 p. 1-13
山岳トンネル工法において,施工に伴う地下水位変動による周辺環境への影響が問題となる事例がみられるが,このうち地下水対策と地表面沈下量の抑制効果に関する報告は少なく,両者の関係については未解明な部分が多い.本研究では,マサ化した岩盤でのトンネル掘削における地下水位低下による地表面沈下について施工データをもとに分析し,その挙動メカニズムについて考察する.さらに,浸透流解析を基本とした3次元の地盤沈下解析手法による事前の検討を行い,その適用性について論じる.