2017 年 73 巻 2 号 p. 14-31
シールドを用いた場所打ち支保システム(以下,SENSと呼ぶ)の一次覆工は,シールド工法とは異なり,内型枠と地山の間にコンクリートを打設し,その硬化後に内型枠を脱型することにより構築される.そこで,このような特殊な施工過程を有するSENSの一次覆工の挙動を解明するため,主働側の有効土圧と三次元で施工過程を考慮できる,SENSにおける時系列三次元解析手法を開発した.本解析手法を用いて,パラメータスタディを実施し,地盤条件および施工条件が一次覆工の変位と断面力に及ぼす影響について検討するとともに,得られた解析値を計測値と比較した.その結果,本解析手法でSENSの内型枠および一次覆工の時系列の変位と断面力を表現できること,地盤条件および施工条件が一次覆工の挙動に与える影響が明らかとなった.