2008 年 2008 巻 p. 20080003
渦法はメッシュフリーの流体解析法として近年急速な発展を遂げているが、計算コストの面で多くの問題を抱えている。本研究では、高速多重極展開法(FMM)と分子動力学専用計算機(MDGRAPE-3)を併用した渦法計算の高速化手法を提案する。本手法の有効性を検証するために行った衝突渦輪の計算では、汎用計算機上の直接計算と比較して約2000倍の加速を得た。また、衝突後に起こる渦輪の繋ぎ換えも良好に再現され、特に1000万粒子を用いた計算では離散化誤差がごく僅かであることが示された。