日本計算工学会論文集
Online ISSN : 1347-8826
ISSN-L : 1344-9443
理論式に基づく鉄筋コンクリートはりの非線形計算モデルの開発とその検証および妥当性確認
車谷 麻緒坂 敏秀山本 佳士上田 尚史岡崎 慎一郎小倉 大季
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2021 年 2021 巻 p. 20210020

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抄録

コンクリート構造物のV&Vにおけるボトルネックは,非線形性の強いコンクリートの力学特性にある.その力学挙動を数値解析で再現するのは簡単ではないため,コンクリート構造物のV&Vに関する既往の研究としては,V&Vのうち,妥当性確認に焦点を当てた事例が多い.一方で,妥当性確認の前に実施されなければいけない「検証」については,具体的な手順や方法が存在しないか,または確立されていないため,これまでにコンクリートを対象とした目立った研究は行われておらず,手付かずの状態に近い.その主な原因は,非線形性の強いコンクリート構造物において,数値誤差のない理論解や解析解のような参照解が存在しないことにある.

そこで本論文では,コンクリート構造物のなかで,力学挙動が比較的単純な曲げ破壊型のRCはりを対象に,オイラー・ベルヌーイのはり理論に基づく非線形計算モデルを提案する.提案モデルの特徴は,有限要素法などの離散化解析を用いずに,はり理論から導出される支配方程式を解析的に解くことで,理論解(解析解)に限りなく近いRCはりの非線形力学挙動を再現できることである.

第2節では,オイラー・ベルヌーイのはり理論に基づいて,RCはりの曲げ破壊を再現するための非線形計算モデルの定式化を示し,RCはりの非線形力学挙動を解析的に求める方法について説明する.第3節では提案モデルの検証を,第4節では提案モデルの妥当性確認を行う.第5節では,本論文の成果をまとめるとともに,コンクリート構造物のモデルV&Vに向けた今後の展望について述べる.

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© 2021 The Japan Society For Computational Engineering and Science
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