日本小児看護学会誌
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養育期における母親の子ども虐待の予防に関する研究 : ベビーマッサージを体験した母親と体験していない母親との比較検討
光盛 友美山口 求
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2009 年 18 巻 2 号 p. 22-28

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抄録

現在の乳幼児をもつ母親世代は、少子化時代に育ち、乳幼児とのかかわり体験がないままに子育てをしなければならない現状にある。つまり、母親の育児不安やストレスは、育児をストレスフルにさせるだけでなく虐待のリスクにつながる。そこで本研究は、母親が乳幼児にスムーズに接触できるベビーマッサージに注目し、母親のベビーマッサージ体験の有無で結果を比較し、虐待の予防につながるかを検討することを目的とした。因子分析の結果、「育児不安・育児ストレス」、「夫の支援」、「家族の支援」、「愛着行動」、「情緒の安定性」、「育児体験」の6因子が抽出された。因子得点をマッサージ群と非マッサージ群とで比較した結果、第1因子の「育児不安・育児ストレス」はマッサージ群が低く、第2因子の「夫の支援」はマッサージ群が有意に高い値が得られた。ベビーマッサージの体験がある母親は、虐待のリスクが低いことを示唆した。

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© 2009 一般社団法人 日本小児看護学会
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