日本小児看護学会誌
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1歳児を持つ母親の事故防止行動の特徴と過去の経験、再発予防行動との関係
松永 侑美奈良間 美保
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2009 年 18 巻 3 号 p. 9-17

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抄録
本研究は、1歳児を持つ母親の(1)現在の事故防止行動の特徴、(2)現在の事故防止行動と過去の事故・ヒヤッとした出来事との関係、(3)現在の事故防止行動と再発予防行動との関係、を明らかにすることを目的に、1歳児を養育中の母親250名を対象に質問紙調査を行った。その結果、母親の現在の事故防止行動実施率は、転倒・熱傷・はさむ事故・交通事故の項目は実施率が80%以上と高かったが、転落・衝突・溺水・外傷の項目では実施率が50%を下回る項目が見られた。過去の経験では、10項目中8項目において、事故経験者よりもヒヤッとした経験者の割合が高かった。「過去に事故・ヒヤッとした出来事の経験がある」と回答した母親は、「過去に事故・ヒヤッとした出来事の経験がない」と回答した母親よりも現在の事故防止行動実施率が有意に低い項目が見られ、過去の経験が現在の事故防止行動の実施に効果的に結びついていない可能性が示唆された。
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© 2009 一般社団法人 日本小児看護学会
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