2017 年 26 巻 p. 38-44
本研究は、基礎教育における小児看護学実習において、小児看護専門看護師が必要と考える実習現場での学生への支援を明らかにすることを目的とし、小児看護学実習の指導に携わった経験のある小児看護専門看護師7名に半構成的面接法によるグループもしくは個別のインタビューを行い、学生への支援に関する内容、文脈的な意味づけを見出し、重要な要素を抽出した。
その結果、小児看護専門看護師は学生への支援として、1. 子どもの反応や様子について投げかけたり、小児ならではの工夫や情報を話してその意味を伝える、2. 学生が体験できることを増やし、難しい場合は見せて記憶に残す、3. 子どもをトータルで結びつけられるようにフィードバックする、4. それぞれの体験を共有させる必要があると考えていることが明らかになった。これは、学生の学びを広げるために、小児看護学実習における指導の基盤となる支援であった。また、短い実習期間の中で、小児看護学実習でしか学ぶことができない子どもや家族へのかかわりや技術を、学生がなるべく体験し、記憶に残すことができるように支援していく必要性が示唆された。