日本小児看護学会誌
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在宅で生活をする重症心身障害児の父親の養育体験
山本 智子市江 和子
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2019 年 28 巻 p. 120-125

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抄録

 本研究は、在宅生活をする重症心身障害児の父親10名を対象に養育体験を調査し、父親への看護支援の示唆を得ることを目的とした。半構成的面接を実施し、質的帰納的分析を行った。結果、父親は【子どもの誕生に対する複雑な胸中】、を抱き、養育を始めていた。【子どもが受ける医療に対する苦悩】から【重症心身障害児の成長・発達への感動】を強みにし【周囲の支えによる在宅生活の成立】をしていた。父親は、【重症心身障害児のきょうだいへの心掛け】、【配偶者へ心配り】を行い、【父親として現状を見極めた上での判断】をし、父親役割を遂行していた。これらの体験は【在宅生活をする重症心身障害児の養育での父親自身の変化】、【在宅生活をする重症心身障害児の将来への見据え】になっていた。看護支援として、看護者は父親と重症心身障害児の成長・発達を共有すること、父親の養育体験を尊重し、父親とその家族を支える必要性が示唆された。

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© 2019 一般社団法人 日本小児看護学会
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