2022 年 31 巻 p. 219-225
障がい児へのケアの方針や方法に対する障がい児家族と看護師の『行き違い』の実態を明らかにし、看護支援を検討することを目的とした。障がい児施設や訪問看護の利用経験がある障がい児家族と障がい児施設・訪問看護ステーションの看護師に、質問紙調査を行った。回答は障がい児家族55名(回収率26.6%)、障がい児施設看護師109名(回収率26.2%)、訪問看護ステーション看護師72名(回収率23.8%)であった。障がい児のケアにおける家族と看護師の『行き違い』は家族と看護師双方の経験として発生していたが、頻度、内容の認識などで異なっていた。『行き違い』解決への対応方法として、家族とのコミュニケーションやカンファレンスに時間をかけることで、看護師の困難感と障がい児のケアにおける家族と看護師の『行き違い』が減り、『行き違い』の解決にかける時間と労力を減らし、障がい児と家族にとって最善のケアにつながる示唆を得た。