日本臨床免疫学会会誌
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Print ISSN : 0911-4300
総説
ミクリッツ病における疾患独立性の意義
—Revival of interests in Mikulicz's disease—
山本 元久鈴木 知佐子苗代 康可高橋 裕樹篠村 恭久今井 浩三
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2006 年 29 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

  ミクリッツ病は,涙腺,唾液腺が対称性に腫脹する原因不明の疾患である.病理組織学的な類似性から,現在はシェーグレン症候群の一亜型と認識されている.しかし臨床的には,ミクリッツ病の腺腫脹は持続性であり,腺分泌障害は軽度で,ステロイド反応性である.血清学的にも抗SS-A/SS-B抗体をはじめ,自己抗体に乏しい特徴を有する.またミクリッツ病では,高IgG4血症を呈し,その腺組織中にシェーグレン症候群では観察されない,著明なIgG4陽性形質細胞浸潤を認めることが明らかになった.このようなIgG4の関与が示唆されている病態には,自己免疫性膵炎,間質性腎炎,自己免疫性下垂体炎などがあり,これらの疾患は同一患者での合併が認められ,共通する病態基盤の存在が示唆されている.ミクリッツ病はシェーグレン症候群とは異なる病態であり,IgG4の関連する全身性疾患(IgG4-related plasmacytic disease)の一表現型である可能性が示唆される.

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© 2006 日本臨床免疫学会
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