日本臨床免疫学会会誌
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総説 特集:Autoinflammatory syndromeの新たなる展開と治療法の確立
Muckle-Wells症候群の基礎と臨床
窪田 哲朗小池 竜司
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30 巻 (2007) 2 号 p. 114-122

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抄録

  Muckle-Wells症候群(MWS)は,家族性寒冷自己炎症症候群(FCAS)や慢性乳児神経皮膚関節症候群(CINCA)と同様,CIAS1遺伝子の変異によって発症する優性遺伝性疾患である.CIAS1にコードされるNALP3蛋白質は単球に強く発現しており,細胞内に侵入した微生物由来の抗原や有害な代謝産物を識別して活性化し,他の分子群と会合してinflammasomeを形成し,caspase-1を活性化する.これがpro-IL-1βを切断してIL-1βが細胞外に放出され,一連の炎症反応が引き起こされる.MWS患者の変異NALP3分子は,強い刺激がなくとも容易に活性化してしまうために,発熱,蕁麻疹様皮疹,結膜炎,関節炎などの発作が頻繁に繰り返され,一部の症例はアミロイドーシスを来し,腎不全に至る.さらに,感音性難聴が徐々に進行することも特徴である.わが国ではこれまでに数例しか報告されていないが,recombinant IL-1 receptor antagonist (anakinra)の有効性が確認されており,診断未確定のまま適切な治療を受けられていない潜在的な症例も正しく診断して,難聴やアミロイドーシスなどの重篤な合併症を生じる前に適切に治療する必要がある.

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© 2007 日本臨床免疫学会
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