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日本臨床免疫学会会誌
Vol. 31 (2008) No. 3 P 159-165

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http://doi.org/10.2177/jsci.31.159

原著

  血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)は,微小血管障害性溶血性貧血,血小板減少,血小板血栓による臓器障害を主徴とする病態であり,全身性エリテマトーデス(SLE)の最も重篤な合併症の1つである.今回われわれは,当院にて経験したTTP合併SLE 8例(男性1例,女性7例,平均年齢37.8歳)の臨床的検討を行った.全例で血小板減少,血清LDH上昇,末梢血中の破砕赤血球の出現,血清ハプトグロビン低下を認めた.7例はSLEが先行し,TTP発症時までのSLE平均罹病期間は13.2年であり,1例はSLEの発症と同時にTTPの発症を認めた.6例で中枢神経ループス,6例でループス腎炎の合併を認め,SLE Disease Activity Index(SLEDAI)の平均値は40.5(24~56)であった.8例中7例でvon Willebrand factor-cleaving protease(vWF-CP)活性および抗vWF-CP抗体価の測定を行ったところ,5例でvWF-CP活性の中等度低下,5例で抗vWF-CP抗体価の中等度上昇を認めた.全例ステロイド治療に加え,7例で血漿交換療法を併用し,3例でcyclophosphamide療法,5例でrituximab療法を施行した.7例で病態の回復を認めたが,1例は回復せず死亡した.SLEに合併するTTPにおいては,vWF-CP活性および抗vWF-CP抗体価の重要性が注目されており,われわれの症例においても,血漿交換療法や免疫抑制療法によりこれらの障害が是正されたと考えられた.また,TTP合併SLEは予後不良とされているが,血漿交換療法の継続,大量ステロイド,免疫抑制剤などの追加治療により予後は改善可能であると考えられた.

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