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日本臨床免疫学会会誌
Vol. 32 (2009) No. 2 P 77-84

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http://doi.org/10.2177/jsci.32.77

総説

  分子標的治療の発展には低分子化合物と高分子の生物学的製剤の2つの潮流がある.臨床免疫学の分野では後者が席巻しているが,この2-3年においては前者への注目も高まりつつある.その多くはチロシンキナーゼ阻害薬であり,イマチニブはその先駆的薬剤である.イマチニブはin vitroの3次元培養において,PDGF刺激による線維芽細胞の形態変化や増殖を薬理学的濃度でほぼ完全に抑制した.動物モデルにおいても,関節炎,間質性肺炎,腎炎,肺高血圧症などの難治性病態に対する有効性が示され,さらに臨床でも強皮症における有効例が近年相次いで報告された.従来有効な治療薬がなかった線維化病変に対して,TGFβとPDGFの双方のシグナル伝達を阻害するイマチニブは有望視されており,強皮症をはじめとした線維化疾患や免疫疾患における有用性の検証が世界中で始まっている.

Copyright © 2009 日本臨床免疫学会

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