日本臨床免疫学会会誌
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症例報告
妊娠中に発症し,タクロリムス,シクロホスファミド追加併用療法が有用であった,縦隔気腫を合併した多発性筋炎に伴う間質性肺炎の1例
岡田 里佳宮部 斉重笠井 祥子橋本 佳奈山内 秀太吉川 舞陶守 敬二郎長坂 憲治
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2010 年 33 巻 3 号 p. 142-148

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抄録

  症例は30歳,女性.平成20年3月に第3子の妊娠が判明.4月に軽度の労作時息切れ,5月に大腿の筋痛を自覚した.6月になり呼吸苦が増悪したため入院.皮疹はなく,CK 207 U/lと正常ながらLDH 287 U/lと軽度上昇し,また,アルドラーゼ17.6 IU/l,ミオグロビン247.2 ng/mlと筋原性酵素の上昇を認め,抗Jo-1抗体は陽性であった.また両側背部のfine cracklesあり,PaO2は79.4 Torrと低下,胸部単純レントゲンで両下肺野にスリガラス影を認め,多発性筋炎に伴う間質性肺炎と診断.7月9日よりステロイドパルス療法,プレドニゾロン60 mg/日+タクロリムス3 mg/日を開始し,妊娠21週5日で人工妊娠中絶術を施行した.タクロリムスは6 mg/日まで増量したが呼吸困難は改善せず,7月31日に胸痛が出現.PaO2 62.3 Torrと低下し胸部CTでは間質性肺炎の増悪に加え縦隔気腫を認めた.このためプレドニゾロン,タクロリムスに加えてシクロホスファミドパルス療法を併用したところ,症状は徐々に軽快し,PaO2 81.8 Torrまで回復し,画像上も間質性肺炎および縦隔気腫は改善した.妊娠中に発症したPMに伴うIPに関する報告は極めて少なく,貴重な症例と考えられる.

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© 2010 日本臨床免疫学会
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