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日本臨床免疫学会会誌
Vol. 35 (2012) No. 1 P 23-29

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http://doi.org/10.2177/jsci.35.23

総説

  クライオパイリン関連周期性発熱症候群(CAPS)は,自己炎症候群に分類される周期性発熱症候群のひとつである.重症度の違いにより家族性寒冷自己炎症症候群(FCAS),Muckle-Wells症候群(MWS),新生児発症多臓器炎症疾患(NOMID)の3症候群が含まれる.臨床症状は蕁麻疹様皮疹,周期性発熱,中枢神経炎症,関節症状などであり,MWS,NOMIDは長期経過でアミロイドーシスを発症する例が多く,もっとも重症であるNOMIDは約20%が20歳までに予後不良となる.近年,発症のメカニズムが明らかにされ,NLRP3分子のpyrinドメインに1遺伝子の異常があり,インターロイキン(IL)-1βがつねに産生されるために生下時より炎症が持続する.そこで,CAPS患児を対象にヒト型抗IL-1βモノクローナル抗体(カナキヌマブ)の臨床試験をすすめた結果,著しい効果を示すことができた.有害事象には鼻咽頭炎,上気道炎,胃腸炎など一般的な感染症を認め,カナキヌマブにより炎症惹起因子であるIL-1βが阻害されるために感染に対する防御起点が発動できないことが推察された.感染病原体の深部への浸潤を誘導してしまう可能性がつねにあり,カナキヌマブ使用中は感染症に対して十分な注意を払う必要があろう.

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