35 巻 (2012) 4 号 p. 328a
【目的】
我々はヒトと同様の高度の骨破壊を伴う関節リウマチ(RA)を自然発症するFcγRIIB欠損B6マウス(KO1マウス)を樹立した.一方,KO1マウスをそれ自身では病態を発症しないNZWマウスと交配した(KO1 x NZW)F1マウスには,RAは発症せず,代わりに高度の全身性エリテマトーデス(SLE)が発症した.本研究は,KO1とNZWの交配マウス系を用いて,RAおよびSLEの両疾患に共通の遺伝要因ならびに疾患特異的な遺伝要因を解析することを目的とする.
【方法】
(KO1 x NZW)F1マウスおよび(KO1 x NZW)F2マウスの病態解析を行った.また,F2マウスを用いてループス腎炎およびRAの原因遺伝子のマッピングを試みた.
【結果】
(KO1 x NZW)F1マウスには12ヶ月齢でループス腎炎・唾液腺炎などの発症が認められた.一方,(KO1 x NZW)F2マウスには12ヶ月齢ではループス腎炎が約35%,唾液腺炎が約60%,RAが約6%に認められこれらの病態をoverlapして発症するマウスの存在も認められた.F2を用いたQTLマッピングで,第1染色体テロメアにループス腎炎およびRAの原因遺伝子がマップされた.
【考察】
今後,更なるRA,ループス腎炎,唾液腺炎の原因遺伝子領域のマッピングを行い,これらの疾患特異性を決定する遺伝要因を明らかにしたい.