J-STAGE トップ  >  資料トップ  > 書誌事項

日本臨床免疫学会会誌
Vol. 35 (2012) No. 6 p. 455-462

記事言語:

http://doi.org/10.2177/jsci.35.455

総説

  PBCは組織学的に小胆管の破壊をきたす慢性非化膿性破壊性胆管炎に特徴づけられる.しかし,PBCの成因は何か,なぜ女性優位であるのか,なぜ胆管が選択的に障害されるかなど未だ謎は多い.感染微生物あるいは化学物質xenobiotics等の刺激が,遺伝素因を有する個体においてPBC発症の誘因となることが想定される.胆管上皮細胞の組織障害は自己免疫反応により生じると考えられているが,病初期においては,自然免疫の活性化が鍵を握っている.胆管上皮細胞はToll様受容体(TLR)を含めて自然免疫システムを有し,PBCにおいてはPAMPsに対する過剰反応が胆管障害の原因とされる.胆管は,NK細胞を含む免疫細胞の遊走にあずかるフラクタルカイン(CX3CL1)と周囲環境をTh1シフトするいくつかのケモカインを産生し,ターゲットとなる胆管上皮細胞は,ケモカインによる誘導で浸潤した免疫細胞によって自己免疫反応を増強する.胆管周囲に集まる浸潤細胞の中でも,単球とNK細胞の役割は異なり,TLR4リガンドで刺激されたNK細胞は,TLR 3リガンドで刺激された単球によって産生されたインターフェロンαの存在のもと,自己胆管上皮細胞を破壊する.このような新らたに得られる知見で,PBC発症の不思議も明らかにされつつある.

Copyright © 2012 日本臨床免疫学会

記事ツール

この記事を共有