日本臨床免疫学会会誌
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W6-1  全身性エリテマトーデス
五野 貴久
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2013 年 36 巻 5 号 p. 346

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抄録

 全身性エリテマトーデス(SLE)は,自己抗原に対して過剰反応する樹状細胞やリンパ球が活性化し,抗二本鎖DNA抗体をはじめとする自己抗体の産生,補体及びサイトカインを介して,皮膚炎,関節炎,血球減少,腎炎,神経障害など全身の諸臓器に障害をきたす自己免疫疾患である.一卵性双生児におけるSLEの発症一致率は25%であり,その病因に遺伝的要因が強く関与している.SLEは,20-40歳代の若年女性に発症する頻度が高く,日光暴露にて病状の増悪を認めることから,性ホルモン,紫外線などの環境的要因もSLEの発症に関わっている.個々の症例においてSLEの病状は異なり,その臨床像は多彩である.例えば,SLEに起因する腎炎(ループス腎炎)といっても,メサンギウムの増殖と上皮下や内皮下に免疫複合体の沈着を伴う腎炎と,基底膜の肥厚が主体となる膜性腎症に分けられる.また,SLEに起因する精神・神経障害を呈するneuropsychiatric (NP) SLEでは,アメリカリウマチ学会により19の精神・神経症候に分類され,その病態は複雑で治療もしばしば難渋する.このセッションでは,SLEの予後規定因子であるループス腎炎とNP-SLEを中心に,SLEにおける基本的な病態を踏まえつつ,近年,新たに明らかとなったSLEの病態に関する研究成果をレビューし,その病態の理解を深めていきたい.

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© 2013 日本臨床免疫学会
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