日本臨床免疫学会会誌
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総説
線維化疾患におけるエンドスタチンの役割と機能
—抗線維化治療の可能性について—
山口 由衣Carol A. Feghali-BOSTWICK
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2013 年 36 巻 6 号 p. 452-458

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抄録

  エンドスタチンは,基底膜を構成する細胞外マトリックスのXVIII型コラーゲンC末端のフラグメントであり,内在性の血管新生抑制因子として発見された.その強力な抗血管新生効果のため,悪性腫瘍に対する新薬として脚光を浴び,多くの臨床試験が行われた.一方,近年の報告において,エンドスタチンが創傷治癒における組織リモデリングや線維化にたいして,抑制的に制御する機能を持つということが言われている.我々は,エンドスタチンC末端由来ペプチドを合成し,これがtransforming growth factor-β(TGF-β)によって刺激された線維芽細胞の細胞外マトリックス産生増強反応を抑制することを見出した.さらに,ヒト皮膚を用いたex vivoモデルや,ブレオマイシンによる皮膚,肺線維化in vivoモデルにおいても線維化を抑制した.エンドスタチン由来ペプチドは,細胞アポトーシスの抑制,線維化に関わる主要な転写因子early growth response protein-1(Egr-1)の抑制,さらにコラーゲンの架橋,硬度に関わる酵素lysyl oxidase(LOX)を抑制した.有効な治療法の少ない線維化疾患において,エンドスタチンが新たな光になりうるかもしれない.本稿では,エンドスタチンに関する最近の知見および抗線維化療法の可能性について紹介する.

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© 2013 日本臨床免疫学会
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