日本臨床免疫学会会誌
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症例報告
MEFV遺伝子変異を有し大動脈・中枢神経病変を認めた特殊型ベーチェット病の一例
岡部 浩祐和泉 泰衛宮下 賜一郎入野 健佑川原 知瑛子地内 友香野中 文陽江口 勝美川上 純右田 清志
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2014 年 37 巻 1 号 p. 61-67

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抄録

  症例は35歳男性.ぶどう膜炎,炎症所見,大動脈の主要分岐部の動脈壁の肥厚を認め,高安動脈炎の診断のもと,プレドニゾロン(40 mg/day)とメトトレキサート(6 mg/week)で治療が開始され症状の改善を認めていた.治療開始2年後に,躁症状などの精神症状が出現し,精査のため入院となった.神経学的所見,頭部MRI,脳血流シンチでは異常認めなかったが,髄液検査でIL-6の上昇(65.4 pg/ml),血清IgDの増加を認め神経ベーチェット病が疑われた.血管病変の存在と併せて,特殊型ベーチェット病と診断し,インフリキシマブの投与を開始した.30歳時より周期性発熱の病歴がありMEFV遺伝子解析を行った所,エクソン2にE148Q/L110P複合ヘテロ変異を認めた.これら遺伝子異常が,本症例の非典型的なベーチェット病の病態に関与している可能性があり文献的考察をふまえ報告する.

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© 2014 日本臨床免疫学会
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