40 巻 (2017) 4 号 p. 298d
【症例1】84歳女性.顕微鏡的多発血管炎(MPA)の診断でプレドニゾロン(PSL)とミゾリビンの内服で外来管理していた.2017年2月中旬から頭痛と嘔気があり,対症療法で経過を見ていたが改善なく,症状が増悪したため入院となった.CRP高値と髄液細胞数の上昇があり,頭部造影MRIで小脳テントの硬膜肥厚と造影効果を認めたため,血管炎に伴う肥厚性硬膜炎と診断した.PSLの増量後,頭痛の改善とCRPの陰性化を認めたため退院となった.【症例2】80歳女性.2014年4月中旬から難聴が出現し,MPO-ANCA抗体価高値もありANCA関連血管炎性中耳炎の疑いでPSLの内服で経過を観察していた.2016年8月に血液検査でCRP値とANCA抗体価の増加を認めたため,血管炎の再燃を疑い入院となった.神経学的に多発性単神経炎の所見があり,頭部造影MRIで小脳テントの硬膜肥厚と造影効果を認めたため,MPAとそれに伴う肥厚性硬膜炎と診断した.PSLの増量後,炎症反応と画像所見が改善したため退院となった.【考察】ANCA関連血管炎に伴う肥厚性硬膜炎の報告の多くが多発血管炎性肉芽腫症に伴う例である.今回,MPAに合併する肥厚性硬膜炎を二例経験したため,若干の文献的考察を踏まえて報告する.