日本臨床免疫学会会誌
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わが国の原発性免疫不全症候群症例登録にみられたCommon Variable Immunodeficiencyの小児例について
早川 浩小林 登矢田 純一
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1987 年 10 巻 2 号 p. 171-179

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抄録
原生省特定疾患調査研究班「免疫不全症候群」による原発性免疫不全症候群症例全国調査登録にCommon Variable Immnuodeficiencyとして登録された小児例のうち,明らかに他疾患と思われるものを除いた男性53例女性27例計80例について調査資料に基づいて検討した.
12.3%に家族に本症を疑われる症例があった,診断年齢は平均65.0ヵ月で,初発症状の多くは感染症であった.易感染性を記載したものは92.5%に及んだ.感染症では呼吸器系感染が最も多く,次いで皮膚・胃腸系等の感染が多かった.合併症では,自己免疫疾患5例,悪性リンパ腫1例等が注目された.登録時75.0%は生存しており, 19例が死亡していた.
48例で主な検査所見がよせられたが, 87.5%に低IgG血症が示された.
この報告はわが国で本症として登録された小児の多数例の総括としては現在唯一のものである.
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