12 巻 (1989) 2 号 p. 238-244
症例は39歳の女性.昭和60年10月頃より両手指関節痛を生じたが2週間後自然寛解していた.同年12月初旬,関節痛は両手根・肩関節に広がり,朝のこわばりを伴うようになる.某医を受診したところ慢性関節リウマチを疑われ,岡山大学第3内科へ紹介された,同年12月19日外来受診時,血沈亢進,高γ-グロブリン血症,リウマトイド因子陽性,抗核抗体陽性,低補体血症を認めたが,確定した診断名は下されず,非ステロイド性抗炎症剤の投与で経過観察していた.昭和61年3月蕁麻疹様皮疹が出没するようになり同年4月16日精査目的で入院となった.入院10日後より蕁麻疹様皮疹,関節痛に加えて高熱,両側上腕・右大腿部の腫脹・疼痛,肉眼的血尿,腹痛という臨床症状が出現した.検査所見では白血球減少,低補体血症,血沈亢進, CRP陽性,皮膚生検では小血管周囲に白血球浸潤を認めるleucocytoclastic vasculitisの所見であった.典型的皮膚所見,低補体血症,関節炎,血尿,腹痛などから,当初は1982年Schwartzらの報告したhypocomplementemic urticarial vasculitis syndromeと診断してプレドニゾロン60mg/日の投与を開始した.臨床症状は劇的に改善し,その後維持量(10mg/日)の投与で経過良好であるが低補体血症は持続している.