日本臨床免疫学会会誌
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Dual energy X-ray absorptiometry法を用いた慢性関節リウマチの骨塩量の検討-骨塩量とCD45RA陽性CD4細胞の関係-
渡部 一郎佐川 昭天崎 吉晴渥美 達也浄土 智中林 透向井 正也藤咲 淳中川 昌一永尾 一彦
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1991 年 14 巻 3 号 p. 353-357

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抄録
慢性関節リウマチ(以下RA)は,関節周囲以外の全身性の骨粗鬆症も報告されている.われわれはdual energy X-ray absorptiometry (DEXA法)を用い53例の女性RA患者の骨塩量を測定した.第2-4腰椎,橈骨幹部,全身の骨塩量を計測し,また腰椎,橈骨は正常女性対照の年齢による補正値,全身骨塩量は総脂肪量での補正値にて検討した.腰椎ではstageや活動性,検査所見との差を認めなかった.しかし橈骨骨幹部や全身骨塩量はstage IV群がstage I-III群より低下し,また握力の低下に有意に相関して低下した.検査所見では,血清学的検査との関係を認めなかったが,リンパ球サブセットのCD4細胞の減少例, CD4+CD45RA細胞の減少例, CD8+HLA・DR細胞の増加例で有意に低下することが示され, RAのosteoporosisにRAの自己免疫機転が関与することが示唆された.
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