日本臨床免疫学会会誌
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慢性関節リウマチ患者のHLA-DRB 1遺伝子型と鶏軟骨スープを用いたII型コラーゲンによる経口トレランスの関連性について
戸田 佳孝竹村 清介森本 忠信小川 亮恵
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1997 年 20 巻 1 号 p. 44-51

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抄録

慢性関節リウマチ(以下, RA)患者に対する経口II型コラーゲン(以下, C II)の効果をHLA-DRB 1*0405遺伝子を有する群(0405群)とそれを有しない群(非0405群)に分類して評価した. 38例のRA患者を1日32mgのC IIを含む鶏軟骨スープを3カ月間投与した群(C II群)と,プラセボスープを投与した群(placebo群)に分類した. 0405/C II群は11例, 0405/placebo群は11例,非0405/C II群は9例,非0405/placebo群は9例であった. C II群では, placebo群に比べて,有意に抗ヒトC II IgG抗体値が低下し(p<0.0001),抗ヒトC II IgA抗体値が有意に増加した(p=0.003).腫脹および疼痛関節数の変化は, 0405/C II群と0405/placebo群間(腫脹関節数p=0.03,疼痛p=0.03), 0405/C II群と非0405群/C II群間(腫脹p=0.006,疼痛p=0.01)に有意差があっため, HLA-DRB 1*0405遺伝子陽性の症例では経口C II療法が有効であると結論した.

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