抄録
本報では、女子ウエイトリフティング競技オリンピックメダリストの
事例に着目し、体力、技術、パフォーマンス、心、指導者との関
係性から、オリンピックの連続メダル獲得に至った経緯について報
告する。対象者は、リオデジャネイロオリンピック大会でメダルを獲
得した選手と、そのコーチとした。分析は半構造化インタビューと、
複線経路・等至性モデルを用いた。その結果、ピークを迎えたトッ
プ選手には、休養やトレーニングの質的側面に重視した指導が
求められ、「覚悟を決める」、「闘争心」、「自信」などの心理的
要素を持ち合わせることが、オリンピックでメダルを獲得するため
に必要な心理面の可能性が示唆された。