日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第33回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: 3-1
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膠原病におけるサイトメガロウイルス感染症の検討
*唐澤 博美小川 法良澤木 俊興河南 崇典下山 久美子福島 俊洋正木 康史廣瀬 優子梅原 久範
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キーワード: CMV antigenemia
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抄録

【目的】膠原病患者の免疫抑制療法におけるCMV感染症について検討を行なった。【対象と方法】2002年1月から2005年6月の間に入院した膠原病患者49例のうち、PSL30mg以上にて治療開始され、血球減少、肝機能異常、間質性肺炎、消化管出血、発熱などのためCMV感染症が疑われた16症例についてCMV antigenemia(Ag)法を用い検討した。基礎疾患はSLE 10例、MRA 2例、MCTD 1例、DM 1例、RA 1例、ANCA関連血管炎 1例であった。【結果】CMV-Ag陽性は11例で、治療歴はmPSL pulse7例、免疫抑制剤併用6例であった。CMV-Ag陰性5例はmPSL pulse 3例、免疫抑制剤併用4例であった。CMV陽性症例ではPSLによる治療開始後、38±34日目(7日?124日)にCMV-Ag陽性となった。CMV感染時の白血球数、IgG値に陰性例との有意差は認めなかったが、リンパ球数に有意差が認められた(陽性例353±199/mm3, 陰性例1071±780/mm3, P=0.047)。【結語】免疫抑制療法施行中の膠原病患者ではCMV感染が稀ではなく、CMV-Ag法によるスクリーニングが有用である。特にリンパ球数の少ない例ではCMV感染に十分な注意を払う必要がある。

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© 2005 日本臨床免疫学会
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