主催: 京都大学大学院医学研究科 内科学講座 臨床免疫学
[目的] 治療内服薬と補完医学素材:雲南紅豆杉併用によるスギ花粉症患者QOL改善効果を検討した。[材料、対象] 雲南紅豆杉とアレルギーに良いと一般的に知られている甜茶を比較補完医学素材として用いた。対象は本調査に同意が得られたスギ花粉症外来患者(IgE-RAST陽性)61例を対象とした。[方法] 雲南紅豆杉材部チップ(4g/リットル)を一日1リットル服用。内服薬+雲南紅豆杉、内服薬+甜茶、内服薬のみ服用の3群により比較検討した。6項目の症状(くしゃみ、鼻水、鼻閉、鼻・喉の痒み、目の痒み、涙の程度)について4段階スコアを用い、有効性を検討した。[結果] 紅豆杉群での目の痒みについてはアレク゛ラ(2.29→1.86)、アレロック(2.00→1.86)、オノン(2.50→2.00)のスコアの改善があった。アレシ゛オン(2.33→2.33)では変化はなく、クラリチン(2.17→2.33)では改善傾向を示さなかった。同様に甜茶群ではアレク゛ラ(2.00→2.00)で変化なく、アレシ゛オン(1.25→1.50) 、アレロック(2.00→3.00)、クラリチン(1.00→2.00) オノン(1.75→2.50) では改善傾向を示さなかった。[考案] 内服薬の種類にかかわらず紅豆杉を長期併用することによってスギ花粉症患者のQOL改善に寄与する可能性があり補完医学素材として有用と考えられた。