日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第34回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: S1-7
会議情報

シンポジウム1
高齢個体の免疫
*清水 淳飯田 隆治西岡 朋尚
著者情報
キーワード: .
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

生体の防御機構としての「免疫機構」は、 老化に伴い その防御機能が低下する傾向にある。機能低下した状態では、感染症にかかり易い、疾患が慢性化し易い、健康状態を取り戻すのに期間がかかる等の様々な問題 を伴ってくることとなる。従って、健康の維持・健康長寿の実現といった観点から、老齢時における免疫機構の維持は非常に重要な意味を持つこととなる。ここ では、免疫機構の中心的役割を担う「CD4T細胞」を中心に、老化に伴うCD4T細胞の機能変化について紹介した い。CD4T細胞は胸腺で分化・成熟し、末梢へと移行する。この過程については、精力的に解析が行われている。一方、時間的経過とともに胸腺は萎縮・退縮 してゆき、やがて新たなCD4T細胞の生成・供給も激減することとなる。即ち、限られたCD4T細胞のみで免疫を担うこととなる。そしてこのCD4T細胞 も、加齢に伴い機能が低下する傾向にある。これまでは老齢個体由来CD4T細胞の機能低下について、サイトカイン産生能、T細胞シグナル伝達系、細胞表面 機能分子など様々な観点から解析・報告されてきた。しかし何れもCD4T細胞を一集団として捉え解析に用いている。この様な解析において問題はないのか、 CD4T細胞も更に機能的観点から亜集団に分けて解析する必要はないのか、我々の解析結果を紹介しながら考えてみたい。

著者関連情報
© 2006 日本臨床免疫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top