日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第34回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: S3-2
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シンポジウム3
p38 MAP kinase阻害薬
*西川 昌孝名井 陽冨田 哲也高樋 康一郎南平 昭豪吉川 秀樹
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抄録

【目的】関節リウマチの新しい治療法として生物製剤が注目を浴びている。しかし使用患者数の増加に伴い抗体の産生に伴うアレルギー反応や効果の減弱なども報告されるようになってきた。我々はTNF-AIL-1祿ANKLの共通の細胞内シグナル伝達物質であるp38 MAP kinaseに注目した。p38 MAP kinaseの阻害薬であるFR167653のコラーゲン関節炎(CIA)ラットに対する効果を検討し関節リウマチ治療における新たな治療ターゲットの可能性を検討した。 【方法】関節炎発症前(予防投与群)及び関節炎発症後(治療投与群)からFR167653を32mg/kg/dayにて4週間皮下投与を行った。足関節腫脹、レントゲン、組織学的スコア、血清及び組織中の炎症性サイトカイン濃度の検討を行った。またin vitro破骨細胞誘導でのFR167653の効果を検討した。 【結果】関節炎による足関節腫脹が予防投与群では見られず、治療投与群でも大幅に改善した。レントゲン、組織学的スコア、破骨細胞数はCIAに比べ両群とも有意に低かった。予防投与群の血清TNF-AIL-1A足関節IL-1傭IAに比べ有意に低値であった。またFR167653はsRANKL及びTNF-謔骰恊総Eのin vitro破骨細胞様分化を抑制した。 【結論】FR167653はコラーゲン関節炎の発症及び関節破壊進行を抑制した。p38 MAP kinaseは関節リウマチの治療ターゲットになりうる可能性がある。

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© 2006 日本臨床免疫学会
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