日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第34回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: 5-3
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一般演題
好酸球CCR3とCRTH2発現の病態学的意義についての検討
*竹田 正秀鎌田 由美子植木 重治伊藤 亘齋藤 紀先山口 一考千葉 貴人谷貝 朋美加藤 光里萱場 広之茆原 順一
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キーワード: 好酸球, CCR3, CRTH2
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抄録

【目的】好酸球はアレルギー疾患における重要な炎症細胞として認識されており、好酸球遊走因子と複雑なネットワークを形成し、その作用を発現している。Prostaglandin D2(PGD2)の受容体であるCRTH2、eotaxinやRANTESの受容体であるCCR3はそれぞれ好酸球細胞表面に発現し、炎症部への集積に関与していると考えられている。我々は以前より末梢血分離好酸球細胞表面上のCRTH2の発現がPGD2によって、CCR3の発現がeotaxinによって濃度依存性に減少することを報告してきた。今回、好酸球増多症1症例において肺胞洗浄液と末梢血中の受容体発現を比較した。また末梢血全血好酸球細胞表面上のCRTH2とCCR3の発現をアレルギー患者と健常人について比較・検討した。【方法】好酸球増多症1症例の肺胞洗浄液と末梢血を用いてCRTH2とCCR3の発現を比較した。またアレルギー患者と健常人のヘパリンあるいはEDTA加末梢血に100μlのPE標識antiCRTH抗体、FITC標識antiCCR3抗体を加え、4℃30分反応後、赤血球を溶血させ、フローサイトメーターを用いて解析を行った。【結果と考察】好酸球増多症1例の肺胞洗浄液における受容体発現は末梢血に比べ低下していた。また末梢血全血を用いたアレルギー患者と健常人の比較では、アレルギー患者に有意な受容体発現の低下が認められ、CRTH2、CCR3の発現がアレルギー疾患のモニタリングに利用できる可能性が示唆された。

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© 2006 日本臨床免疫学会
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