日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第35回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: 47
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一般演題
イソ吉草酸血症に強直性脊椎炎の合併が疑われた一症例
*砂田 真澄竹内 孝男林 真帆長野 宏昭伊藤 能永金岡 裕夫
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抄録

(症例)16歳、男(主訴)多発性関節痛(家族歴)兄;イソ吉草酸血症(既往歴)イソ吉草酸血症(現病歴)2007年3月中旬より右胸痛を来すようになった。その後右胸鎖関節、右肘、右膝に腫脹、疼痛が波及した。当院整形外科にて右膝から関節液を抜いたりして痛みを取っていたが、関節症状は徐々に増強していった。4月原因精査目的でリウマチ・膠原病内科に初診。リウマトイド因子は全て陰性で、抗CCP抗体も測定値以下。骨シンチでは両側胸鎖関節特に右に集積を認めた。リウマトイド因子陰性脊椎関節炎と考え、HLAを検索したところB27が検出された。皮膚症状はなく、レントゲン写真では仙腸関節、腰椎、股関節に異常を認めず、大腸ファイバーでも異常所見は認めていない。現段階では強直性脊椎炎とは診断出来ないが、NSAIDsが著効したことより、リウマトイド因子陰性脊椎関節炎の前段階であることは確かである。ロイシンの異化代謝経路のイソバレリルCoA脱水素酵素の異常により起こる稀な先天性有機酸代謝異常症であるイソ吉草酸血症とリウマトイド因子陰性脊椎関節炎に関して、偶々合併したのか、病因的に両者に何らかの関連があるのか、文献的考察を試みたい。

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© 2007 日本臨床免疫学会
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