臨床神経生理学
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特集「TMS」
Repetitive stimulation—QPS
グロイス 純宇川 義一
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2012 年 40 巻 4 号 p. 234-239

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抄録

単相性4連発磁気刺激法 (QPS) とは, 従来の磁気刺激法とは異なり, 4発の単相性刺激をバースト状に発生させるパターン化された新しい不均一型反復磁気刺激法である。QPSはISIの長さによってヒトの大脳皮質に双方向の長期可塑性 (LTP, LTD) を誘導し, 従来のrTMSより効果も強く, 持続時間も長い。またQPSにより誘導される可塑性は, シナプス可塑性の恒常性維持機構として提唱されているBCM理論に合致し, その上メタ可塑性と一致した変化も出現する。その上QPSは従来の磁気刺激で提唱されているようにBDNF polymorphismに依存することもない。以上のことからQPSは, 今後現在治療が困難な神経難病の新しいrTMS治療法としても期待されている。

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© 2012 一般社団法人 日本臨床神経生理学会
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